湛然の里とは About Tnnennosato

 湛然の里は江戸時代の鍋島家菩提寺高傳寺住職で葉隠四哲の一人と言われた名僧湛然和尚から名前をいただき、和尚の「大慈悲の心」を葉隠の心とともに世人に伝えたり、文化・芸術を通して里山の四季の良さを多くの人に知ってもらいたい、そんな思いで「湛然の里」と名前を付けて「ふれあいの場」として活用して行こうと「蕎麦倶楽部そば庵はなの蔵」「思い出ぎゃらりーせせらぎ」「山のくらぶ湛然さん」をつくり多くの仲間が集っています。

葉隠と湛然和尚の華蔵庵

(湛然梁重。葉隠四哲の一人で山本常長の仏門の師)

 

 鍋島家菩提寺高伝寺第十一世住持で、佐賀市西与賀楊柳寺の開祖。

湛然(たんねん)和尚は、葉隠の口述者山本常朝が「仏門の師」として薫陶をうけた禅僧で鍋島家菩提寺高傳寺の11代住職です。

 寛文9年(1669)今から約350年前、竜造寺家菩提寺円蔵院住職村了和尚が同院を曹洞宗 12ヶ寺への昇格を3代藩主鍋島光茂に直訴して斬罪に処せられました。

 この時、湛然和尚は「仏に仕える僧侶を断首とは」と憤慨して高傳寺を去り、出国の途中友人深江信渓が開基した通天寺に身を寄せました。光茂は高傳寺に戻るように説得を命ずるが、再三の懇願にも和尚が応じないため説得の命を受けた3名のご家来衆が切腹、出国だけは思い留まらせたと言われています。

その後切腹した3人のご家来の霊を弔うために村人が建てたお地蔵さんを「腹切り地蔵」とよび、今も地元の方々が大切にお祭りしています。

 

 出国を思いとどまった湛然和尚に光茂は、松瀬の熊の峰に華蔵庵を高傳寺の末寺として建て10石、寺地7反、山林5反を寄進したと言われています。

通天寺に安置されている湛然和尚の彩色坐像


和尚は13年間住み延宝8年(1680)11月10日に亡くなりお墓は華蔵庵の西北隅の小高いところに歴代の和尚とともに有ります。明治25年に廃寺となり通天寺にお預けとなりました。

曹洞宗の通天寺

11月10日の命日法要


 昭和9年には有志により華蔵庵跡地に記念の多重塔が建てられました。また昭和61年には「華蔵庵湛然和尚を偲ぶ会」が通天寺と松梅地区の人々により盛大に行われました。

 湛然和尚を師と仰いだ山本常朝は延宝7年(1679)21歳の時の4月3日に、この華蔵庵で湛然和尚から血脈(仏法を正しく伝えた印として与える法脈の系譜)を受けました。同じ年の12月7日には「下炬念誦」(あこねんじゅ)を授けています。このことは、生きながらの葬式をしてもらったということです。

 

 常朝が湛然和尚に絶大な信頼を持っていたことが覗えます。そして和尚の教え“大慈悲の心”が武士道に大切なことを葉隠の中に説いた常朝の生き方の基となったという意味でも華蔵庵は葉隠の遺跡として極めて重要な場所といえます。

 

 また「腹切り地蔵」には腹を切ってまで自分の役目を果たしたと言うことで、物事が成就する、必ず成功する、必ず思いが実現する、仕事がやり遂げられると、お参りが多く、秘かなパワースポットに成ってます。

 画像は、パワースポットになっている腹切り地蔵です。

華蔵庵の跡地の記念多重塔


「湛然の里と葉隠の会」とは

 湛然の里を通して、名僧湛然和尚の大慈悲の心を、葉隠の心とともに世人に伝え、又文化・芸術を通して里山の四季の良さを多くの人々に知ってもらい、湛然の里を「ふれあいの場」として活用することを目的としています。

 1 葉隠に関する講演会、勉強会の開催

 2 里山の四季に合わせたイベント事業

 3 地元の干し柿を使った菓子「巻き柿」の復活事業

 4 その他前条の目的を達成するために必要な事業

松瀬三反田地区の活性化を願って

 佐賀市の中山間地は高齢化が進み地域の活気が無くなってきています。大和町北部中山間地松瀬三反田地区でもその傾向は顕著です。

 この松瀬三反田には「葉隠」山本常長の仏の師、湛然和尚の史跡華蔵庵跡や華蔵庵棚田の里山のすばらしい景観があります。この地域の財産として活かし、地域の活性化を図るため4年前から彼岸花の時期に「華蔵庵棚田と彼岸花のスケッチ会」を佐賀新聞「ふるさとスケッチ」を掲載されている山田先生の協力で開催しています。

  ※華蔵庵は葉隠四哲の一人湛然和尚の為に三代鍋島光茂が高傳寺の末寺として建て十石を扶持したと言われています。

 湛然和尚や華蔵庵等の史跡、「華蔵庵棚田」の里山の景観、名産干し柿等の地域資源を活かして、「葉隠」の講演会や勉強会、里山のスケッチ会、干し柿作りや干し柿を使ったお菓子作り、その他コンサート等を「湛然の里」をベースに開催して多くの市民に訪れていただき同地区の活性化を目指します。

彼岸花と棚田の保全

 これまでは湛然の里と葉隠の会で彼岸花を植えてきましたが、今後は環境保全と整備に佐賀大学の学生さんの協力で、華蔵庵棚田に彼岸花を毎年殖やしていくことに成りました。これからも史跡華蔵庵と華蔵庵棚田の環境保全と整備をおこなっていきます。

 

団体概要

団体名称:湛然の里と葉隠の会(たんねんのさととはがくれのかい)

代表者名:会長 福川 祐一郎

住所:〒840-0204 佐賀県佐賀市大和町松瀬3013-4

連絡先:電話 0952-63-0222(受付時間10時から16時、月・金・土・日のみ)